英語を話さないアメリカ人たち

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アメリカのサンフランシスコを旅行した時の話しである。

空港から、滞在先のホテルへ移動する際に、電車とバスを乗り継ぐ事になった。

電車は自動券売機で切符を買えるので、駅名が分かっていれば、それなりに場所に着く事が出来たのだけど、その後、バス停に着くと券売機が無いことに気が付いた。

海外では、日本のようにバスの時刻表などがない事が多く、「バスは待っていれば、そのうち来るもの」というのが普通の考えで、日本のように、ちゃんと時刻通りにバスがやってくる国なんて、世界中にそんなに多くないのだ。

私は、バスを待ちながら、「でも、バスの乗車券って1ドルくらいだけど、日本みたいにバスの中で買うのかな?今大きい紙幣しか持っていないから、おつりあるのかな?」と不安になって来たので、そのバス停の近くを通りかかった現地人に、英語で聞いてみる事にした。

「すいません、○○行きのバスを待っているんですが、乗車券はバスの車内で買えるのでしょうか?今、大きい紙幣しかないので、少し不安なんです。」と聞くと、白人の大人3人は顔を見合わせ、仲間内で何かを話し合っている様子だ。

でも、英語じゃない。…ドイツ語?

ドイツ人3人組は、「私達バス乗らないのでよくわかりません」という感じに、ドイツ語で私に答え、さっさと行ってしまった
さすがドイツ人、冷たい。(笑)

しょうがないので、他に乗客が来るのを待っていると、今度はアジア人風の中年女性が現れたので、同じ要領で聞いてみると、こちらもまたキョトンと私の顔を見ている。

そして、その女性は、一瞬ひらめいたようにハッとして、私がアジア人だからか、今度は「中国語話せる?」という感じに、中国語で返してくるではないか!

ちなみに、外国では日本人、中国人などの国籍が、顔だけでは分からないため、しばらく無言で見つめあった後、いきなり中国人の方から中国語で話しかけられて、中国人か試される事がよくあるのだ。

その女性は、買い物袋や雰囲気からしても、現地人だと思うのに、ハローの一言すら、英語で話せない様子だ。

そんなやりとりをしている間に、また違う女性がバス停にやって来て、結局中国語の会話をあきらめた私は、再度、この違う女性に、英語で質問してみる事にした。

すると、今度はメキシコ訛りのスペイン語で、「私英語話せないから、分かんない~」と返してくるのだった。
でも、ラッキーな事に、私はスペイン語も話せるので、やっとコミュニケーションが取れる人が現れたとガッツポーズをして、詳細を聞いてみた。

なんでも、「車内で乗車券は買えるけど、5ドルまでの小さい紙幣しか取り扱ってくれないのよ~。大きな紙幣しか無い場合には、バスが来る前に、近くの売店で両替をしてもらった方が良いわよ~。」と教えてくれた。

私は「ムーチャス・グラスィアス!(どうもありがとう!)」と、メキシコ人の女性にスペイン語でお礼を言って、近くの売店に両替をしに行くと、こちらでもまた不思議な光景が広がっているではないか。

私が店に入ると、会計の前で、1人のおばあさんが国際テレフォンカードについて、店員に聞いているのだ。

ただ、少しおかしいのは、おばあさんが話しているのは完全にイタリア語、接客をしている中東系の店員は、まったく言葉が分からず困っているらしかった。

スペイン語とイタリア語は似ていて、私も大体分かるので通訳がてら、その店員さんに、「イタリア語は分かるんですか?」と聞くと、彼は満面の笑みで私を見つめて「アラビア語なら話せます!」とカタコトの英語で言うのであった…。

アメリカは移民の国で、色々な国のコロニーがある分、その地域だけで生活すれば、英語を話せなくても十分暮らせてしまうのだ。

そして、彼らの多くは、アメリカ生まれ、アメリカ育ちの、れっきとしたアメリカ人なのである。

「それぞれに違った背景があるけど、それは無理に交わらなくても良い。」

およそ15分の間に出会った人々は、それぞれに違う言葉で、そんな事を教えてくれたような気がした。

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